音楽ゲームにおける「対応力・対策力」について

この記事はPUC Advent Calendar 2020の5日目の記事として作成されました。

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 これやりたすぎ 誰かやりましょう

 

どうも。BSKBN@音ゲーです。

今日は僕が音楽ゲームをやってきた中で個人的に抱いたものというか、そういったものを少し書いていけたらな、と思います。

※あくまで個人の見解です。

はじめに

「地力」と「認識力」と「対応力・対策力」

前置きとして、音楽ゲームについての実力とは何を指すのかを考えていきたいと思います。(結構長い前置きになります)

自分が音楽ゲームをやってきた、または他人が音ゲーしているところを見てきた、もしくはTwitterなどで音ゲーマーのツイートを見てきた中で、音楽ゲームをやっていく中で必要とされる能力が所謂「地力」、「認識力」、そして「対応力・対策力」だと感じています。

①地力

音ゲーマーがよく使う言葉に「地力」というものがあります。まあこれ多分平たくその意味を言うなら音楽ゲームの実力そのものを地力と呼ぶことが多いんじゃないかな、と思います。ですからここで言うところの「認識力」ですとか「対応力・対策力」も広い意味での「地力」という言葉の意味に含まれるのではないかとは思います。

とりあえず、ここで言う地力とは「見たものを見たまま正確に押せる能力」だとなんとなく思ってもらえればいいかなと思います。

例えば、SDVXの譜面を例にあげると、

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Booths of Fighters[EXH]76〜92小節



はい。これはBooth of Fighters[EXH]の所謂「例のアレ」二重階段地帯です

これ、譜面見えるのに押せないんですよね。特にまだ適正難易度が17くらいの時は(押せる人は押せるのかもしれませんが…)

あとは、Beatmaniaで言うと、

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Rave*it Rave*it(SPA) 51〜58小節

こちらも有名ですね、Rave*it Rave*it(SPA)の逆階段地帯です。これも所謂「見えるけど押せない」の範囲に入ってくるのではないかなと思います。

極端な例を挙げましたが、その他にも高速トリルのような見えるけど押せない、みたいな配置を押す能力、加えて認識した譜面を正しく押す能力(SDVXだと所謂片手力、トリル力、二重配置力、とかも含まれると思います。)のことを、ここでは地力と呼ぶことにします。

地力は確かに少しずつではありますがやっていれば伸びるものではあります。ただ、やはり長く音ゲーを続けてきた人に比べて最近音ゲーを始めたという人が地力で追いつくというのは結構な努力が必要なのではないかなと感じます。(時々それを感じさせない人もいますが、そんなにたくさんいる訳では無いです)地道に伸ばしていく能力であると個人的には感じています。

②認識力

これは読んで字のごとく、譜面を正しく認識する能力、もしくは譜面の解像度(秒間で認識できるノーツの量)の能力のことです。

例えば、

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AA(A)47〜74小節

これはBeatmaniaIIDXのAAのAnother譜面、その後半部分となるのですが、こういった配置のノーツを認識しきる、そして零さずに押す能力が所謂認識力と呼ばれるものでしょう。

あとは、譜面を視覚で認識することだけでなく、曲のリズムや譜面がどのようなリズムを取っているのか、これを理解することも認識力の一部にあたると考えられます。

認識力もやはり地力と同じで突然急激に伸びることは少ないです。こちらも地道に伸ばしていく必要があると言えるでしょう。

よく「粘着すると癖がつく」みたいな話を聞くことがあると思いますが、それは何度もプレイしていくうちに脳が譜面を簡略化、あるいは元の状態とは異なる状態で認識してしまい、その結果認識に偏りや誤りが生じてしまうことです。認識力をつけることは、こういった癖をつけないための対策となりうるのではないでしょうか。

③対応力・対策力

前置きが長くなりましたが、ここからが本題となります。

先程までに出てきた地力、認識力、これらとは異なる実力のこと(一部被る部分もあるかもしれませんが)ここでは対応力・対策力と呼ぶことにします。

具体的に言うと、

  1. 譜面に対して自在に運指を変える能力
  2. 餡蜜、つまみ放置などを咄嗟の判断、もしくは譜面を覚えることで行う能力
  3. 認識を変更することによって簡単な譜面に見直す能力
  4. 自分の地力や認識力のうち、どの部分が足りないかを把握する、また、その地力や認識力を上げるためにどのような選曲を選曲すれば良いかという能力

この4つに分けられるのではないかなと考えられます。(もしかしたらもう少し色々あるかもしれませんが、とりあえず自分で挙げられるのはこの4つです)

4つの対応力・対策力

①運指を変える能力

まずはこちらの譜面をご覧下さい

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オニユリ[MXM]43、44小節

この譜面、

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赤が右手、青が左手(以下同じ)

という運指が一応の正攻法とされていますが(右手左手逆もあります)、

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人によってはこういった運指もありますよね。

運指は人によってそれぞれで、必ず固定しなければいけない訳では無い

特にSDVXだと、運指は譜面によって自在に変わってくる場合が多いです。

例えば、

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VILE CAT[EXH]6小節、7小節及び10小節、11小節

こういった配置があると思いますが、僕はこの配置を鍵盤は右手、つまみは左手(出張しているということです)で取っています。他にも、ちょっとしたものだと

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Sharkbait[MXM]38、39小節

このつまみを小指で取ったりもします。(これは裏技の類と言うよりかは出張するのが面倒なのでこうしている)

このように、多分各個人によって譜面の運指が異なるというのは結構あることだと考えられます。

運指を変えるためには、例えばその変えた運指で正しくノーツを押せなければ意味がありません。そういった意味では、多少なりとも認識力や地力は要求されてくることでしょう。

加えて、自分で運指を変えるというのは譜面に対する「気づき」を得る、もしくは自分は何が苦手なのか、その理解をする必要があります。(例:利き手でない左片手トリルを右手で出張してとるなど)そういった気づきや理解は、自分の経験則によって産まれるものです。

そういった意味では、この能力を得るためにはやはり多少の実力は必要になってきます。ですが、運指を変えることによって足りない地力を多少なりとも補填することができ、よりクリアに近づくこと、より高いスコアを出すことに繋がることが期待できます。先人の知恵なども上手く使いながら、自分に合った運指を探していくと良いのではないでしょうか。

自分に合ったオプションをつける

Beatmaniaにおいては、今の自分にとっての適正オプションを見つけるといったことが先程の話と近いものとして考えられます。

例えば、二重階段の多い配置では、二重階段が得意か不得意かによってオプションが正規・乱どちらの方が良いか、人によって別れてくるところだと思います。

他にも譜面によって適正オプションは異なってくる場合が多いです。Beatmaniaの場合は、多少なりともどのオプションが合うのか試行錯誤してやっていく必要が出てくる場合があります。

②放置つまみ、餡蜜を活用する

ここで突然ですが譜面クイズをしたいと思います。

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Midnight City Warfare[MXM]41、42小節

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LECTORIA[MXM]67〜69小節及び71〜73小節

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Dreadnaught[MXM]28〜31小節

これらの譜面のうち、つまみが放置可能な譜面はどれでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは全部です

なんと3譜面全てつまみを放置することが可能となっております。

このように、SDVXには放置可能なつまみが意外と沢山あるので、どの譜面が放置可能か調べた上で活用するのも方法としてはアリだと思います。(勿論、全て回しきるのもまた一興です)

 他にも押せない配置を咄嗟の判断で餡蜜したり、あるいはこの配置は餡蜜すると決めて餡蜜したり、言ってしまえばずるをして段位ゲージやクリアゲージを維持すると言った方法もあります。ただし、餡蜜は使いすぎると地力の成長を妨げたり、前述したような癖がつく可能性があるので、その辺は把握した上で、上手く使いこなしていけると良いのではないでしょうか。

③認識を変えることによって譜面を簡単に見る

これは実際に例を挙げると、

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INF-B《L-aste-R》[EXH]52、53小節

これを

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こういった区切りで認識する(つまり、くの字階段の連続ではなく、同時押し+3つ交互押しと認識する)ことによって譜面を押しやすくすることが挙げられます。

これは認識力も必要なんですが、譜面の見方を変えることによって譜面がぐっと見やすくなる、押しやすくなることがあります。

④自分の実力を把握する、上手い選曲をする

これはどちらかというと地力や認識力そのものを上げるためのものですね。

 自分の実力を把握することは、今後目標に向けてどのような事をやっていけばよいかを理解することに繋がります。

小目標を立てる

自分の周りの所謂音楽ゲームが上手い人を見ていると感じるのが、目標達成に向けての小目標の立方が上手い人が多いということです。

小目標ですから、自分が出来る範囲かつ自分の実力を成長させるような目標を立てる必要があります。自分のすべきことを理解しているからこそ、そういった目標を立てられるのです。

焦りすぎない

色々な人が音ゲーをやっていますから、成長の速度にはやはり個人差が生まれてくることも多々あります。時には他人の成長の速さに焦り、自分が今すべきことを見失ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、焦りすぎて無茶な目標を立てたり、選曲をしてしまうのは自分の首を締めることに繋がりかねません。自分は自分、他人は他人のペースで成長していくのですから、焦らずに自分が今すべきことを正しく認識することが大事なのではないでしょうか。

「埋める」という行為について

実は自分は所謂埋めるという行為を意識的に行ったことがあまりありません。ですが埋めるという行為そのものにはかなり効果があると実際に思います。

埋めるという行為は、未プレイを減らすことにつながります。未プレイの譜面には、今まで見たことの無い配置が含まれていることが多いです。そういった配置を実際にプレイするだけでも効果があると思いますし、クリアやスコアを狙うことを通じてそういった配置を押す力、見る力を培うことは出来ない配置を出来るようにする、といった点で地力や認識力の効率的な成長に繋がるのではないでしょうか。

Beatmaniaにおける乱ノックの必要性

先述の見たことの無い配置を押すことによって押せる配置を増やしていくというのが、Beatmaniaで所謂乱ノックを行う理由です。乱ノックは当然ですが様々な配置を押す必要性があります。その中で押せる配置を増やしていくというのが目的ですから、確かに効果的な練習ではあると感じます。

ですが、あまり乱ノックにこだわりすぎる必要も無いのではないかと個人的には思っています。

乱ノックをすることにこだわりすぎて、モチベーションが低下してしまったり、もしくは譜面傾向の異なる譜面が練習できなくなる(中速乱打、高速乱打、同時押し、皿複合、連皿譜面など、様々な要素があるので、単曲の乱ノックだけやっているとどうしても練習する要素に偏りが生じてしまう)のはあまり良くないと思いますので、無理に行う必要は無いと感じます。

ただ、モチベーションが許すのなら様々な譜面をランダムをかけてプレイすることはかなりいい練習に繋がると思います。

モチベーションの維持

やはりどの音ゲーもモチベーションの維持が1番重要だと思います。(そもそもプレイする気が起きないのに音ゲーを続けることは困難なことです。)

どんな音ゲーも成長が止まったと感じたり、なかなかクリアやスコアの目標を達成できない譜面があるとどうしてもモチベーションが低下してしまうこともあります。

そういった時に、今の自分でもある程度容易にできそうな他のことをやる(例えば…SDVXなら18のクリアが増えない→17の未プレイをクリアしたり、ハードしたりする、Beatmaniaなら12のクリア、イージーが増えない→11の未プレイをクリアしたり、ハードしたりする)ことによって多少なりともモチベーションの低下を抑えることができると共に、より簡単な譜面で練習することで上位譜面に挑むための地力がついてくるのではないでしょうか。

対応力・対策力は(比較的)すぐにつけられる

上述した4つの能力は、譜面をよく知ること、自分の実力をよく知ることさえ出来れば、地力や認識力を伸ばすことと比較してより簡単につけることが出来るでしょう。

それによって地力や認識力の補填やより効率的な成長に繋がっていくことが可能になるのではないでしょうか。

まとめ

結構長い記事になってしまいましたね…

地力や認識力以外にも上述のことを意識することによって、より効率的な実力の成長に繋がったら幸いです。

やはり音楽ゲームは一人一人個人の成長を楽しむゲームだと僕は感じています。他人と切磋琢磨し合うもよし、最強の自分を目指すもよし、その他にも曲を楽しんだり、音ゲートークに花を咲かせたりしてもよしだと思います。BSKBN@音ゲーは皆様の快適な音楽ゲームライフを応援しています。

おまけ

譜面クイズしたいなと思ったので、します。

SDVX編

 ①

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難易度:17

② 

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難易度:17

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難易度:18

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難易度:18

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難易度:18

Beatmania

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☆10

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☆11

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☆11

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☆12

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☆12

分かった人、答えが知りたい人はBSKBN@音ゲー(@bskbn_otoge)のDMにどうぞ〜